2007/05/16 : Diary

                                                                    334.jpg

小学校3年生の時の話。

下校は、いつもクラスの同じ地区の皆で帰っていた。
その中にはクラスで人気者でモテモテの男の子と、女の子がいた。
二人に共通して言えるのは、運動神経抜群で勉強も出来るということ。
子供の頃なんて、何かスポーツが出来ればモテてしまうものだ。
彼女は新体操をやっていて、皆からリクエストがあれば教室で連続バク転を披露してしまうくらい。
性格はおしとやかで、男子に人気があった。俺もその女の子のことが好きだった。

俺の住んでいた地区は「昭和区」。
大きな陸橋があって、その下には、遊具とゲートボール場がある。
皆でゲートボール場で遊んでいたら、その脇にあるフェンスを跳び箱のように越えて
下の道路に着地できるかなという話になった。
フェンスの高さは約50cm。ゲートボール場と下の道路の段差は約1m。足して約1m50cm。
皆が高くて無理だよと言った。さすがの運動神経抜群のモテモテ君も無理だと。
俺は、何を考えたのか、何も考えていなかったのか、無言で皆から離れ、助走を付け走り出していた。
ゲートボール場から約50cmのフェンスに手をつき、跳び箱を越えるように足を開いてジャンプ〜。
跳んだと思った瞬間、1m50cm下の道路に顔面から堕ちていった。
唇は腫れ上がり、擦り傷で血が出ている。1m50cm下でぶっ倒れている俺。
皆は、突然の出来事にびっくりしたことだろう。
顔面も身体も痛くて動けなかった。痛すぎて涙も出なかった。
モテモテ君が走って俺の家に行き、母を呼んできてくれた。
母におんぶされて帰宅。こっぴどく怒られたのは言うまでもない。

鮮明に憶えている小3の痛い思い出。

何故、俺はあの時跳んだのだろう?
皆のヒーロになりたかったのか?
好きな女の子にカッコイイところを見せたかったのか?
運動神経抜群のモテモテ君にも出来ないことをやってみせたかったのか?

跳ぶ前に見ていた周りの状況も、あの静かな心境もはっきりと思い出せる。
痛い思いをするまで、俺は無心といえる心境だった。
怖さもなかったし、失敗することも考えていなかった、でも自信があったわけでもなかった。
とにかく、何も考えず走り出していた。

失敗して恥をかき、痛さだけが残ったのだけど
結果はどうあれ、あの時跳んだか跳ばなかったかで、何かが変わっていたんだ。